ピエール・ボナール「コーヒー」(Le Café) その①

いつもアートコーヒーブログをご愛読いただき、ありがとうございます。


コーヒーの出てくる絵画、今回はピエール・ボナール(1867~1947)の
「コーヒー」(Le Café)を採りあげます。

ボナールコーヒーの出てくる絵画①

この絵は1915年に描かれています。
画面には、大きく赤白の格子縞のテーブルクロスが描かれています。その上に、コーヒーポットと、ボナール用なのでしょうか、もう1つ空のコーヒーカップ。それに木製の硯箱のような入れ物やガラス製のコップとデカンタが置かれています。
テーブルの向こう側に愛犬が行儀よく両前脚を食卓に乗せて、コーヒーポットを眺めています。たぶん、コーヒーの香りの出どころが気になるのでしょう。
中央にマルト、そして食卓の世話をしている家政婦さんのような人物がいます。この人物は顔の半分が画面の外になっていて、表情がよくわかりません。また、マルトは、犬の様子を見ながら、コーヒーを飲んでいます。彼女の眼鼻口もはっきりと描かれていません。
ただ、犬の表情だけが、ここには明確に描かれています。「おあずけ」の状態にある犬が、剽軽で愛らしく、この絵全体に柔らかで、穏やかな空気感を与えています。

この絵には、習作が残っています。
鉛筆でクロッキーのような感じでささっとスケッチしたものですが、この習作には犬とマルトは描かれていますが、隣りのメイドさんのような人はいません。油彩の実作に取り掛かった時に、マルトの右隣りの空間が寂しく思えたのか、後でメイドさんを書き加えた感じがします。
一方、このコーヒーを飲むマルトと愛犬の姿は、リアルな日常風景を描写したものであり、この習作を元に描かれたものだということがわかります。これは、コーヒーのある日常をあるがままに写生した、20世紀初頭のフランスの家庭の風景です。100年前も現在も、コーヒーの与えてくれる安らぎと穏やかさには変わりはありません。

ボナールコーヒーの出てくる絵画②

さて、この静かな室内の情景を描いた絵ですが、油彩画の画面右隅をみると、習作には描かれていない縦長の仕切りのようなものがあり、木と花のような模様が描かれています。その仕切りの模様は、マルトの背後にある絵の額縁の模様とシンクロしていますが、もちろん右側の縦線は、額縁をえがいたものではありません。窓枠とか家具、カーテンにしては唐突感があります。
この部分は「リアルな写生」ではないのです。ただ、油彩画の作品の全体からすると、そのリアルでないことにさほど違和感はありません。絵としてこの縦線模様のようなものは全体に調和して溶け込んでいるような感じがします。

この縦線模様については、次回に続きます。
え、そこ? と思われるかもしれませんが、この縦縞こそがボナールの本質とも言えるのです。



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新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

アートコーヒーブログでは、今年もコーヒーに関するさまざまな情報や
オンラインショップのご案内、アートコーヒー商品のご紹介などを
皆様にお届けしてまいります。


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本年も引き続きアートコーヒーをよろしくお願いいたします。

年末のご挨拶

2016年も残すところあとわずかとなりました。

今年もアートコーヒー商品をご愛顧いただきまして
誠にありがとうございました。

皆様にとってどのような一年でしたでしょうか。


今年アートコーヒーは“CHANGE THE STANDARD”というコンセプトを掲げ
新しいレギュラーコーヒーのラインナップを発売しました。

「未来のコーヒーのために何ができるのか」
「本当においしいコーヒーとは何か」

を追求し、これからも皆様にご満足いただける商品を
お届けできるよう努力してまいります。


来年も引き続きアートコーヒー商品をご愛顧賜りますよう
お願いを申し上げますとともに
皆様が素晴らしい年を迎えられますことを心よりお祈り申し上げます。



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コーヒーカップのお話 その④<最終回>

コーヒーカップの話④。最終回です。

この連載の最後に、美味しいコーヒーを飲むために、どのようなコーヒーカップを選ぶのがよいのかというヒントをお出しします。少し、お節介で押し付けがましい話ですが、ご容赦ください。

もちろん、エスプレッソやカフェジーニョのスタイルを楽しまれるには、小さいデミタスカップが本式ですし、カフェオレなら、カフェオレ・ボウルと呼ばれる、取っ手のないボウル状のどんぶりのような食器を使うのが本場の味わいになります。

ただし、ここではあくまで一般的なドリップコーヒーを飲まれる場合と考えてください。

まず、コーヒーカップの素材によって、保温性能が変わります。陶器の表面はでこぼこしており、フラットな磁器や金属製のカップより保温性が高くなります。また、陶器製のコーヒーカップは一般に、磁器や金属製より肉厚になりますので、その分保温力も強いです。
基本的に、コーヒーの味わいは、熱い時の方が丸みを帯びており、また湯温が高いほど、オフフレーバーが感じにくくなりますので、長い時間、熱くて一定の味のコーヒーを楽しみたければ、陶器製のカップがよいでしょう。

逆に磁器の表面はなめらかで、コーヒーが口の中に均一に広がり、味も香りもダイレクトに感じられる傾向にあります。温度が下がってくる毎に、少しずつ熱かった時とちがう、微妙な味が現れてきますので、そのコーヒーの本性を細かく味わいたい、という方は磁器製のカップをお勧めします。

陶器がよいのか、磁器がよいのかは、コーヒーの何を、どう楽しむのかという考え方のちがいだ、ということです。ゆったり派には陶器を、こだわり派には磁器をお勧めします。

また唇のあたるカップの縁(ふち)のところの厚みも、コーヒーの味わいに影響があります。これは人間の舌が場所によって感じる味覚が異なるため、肉厚のカップから飲んだ時と、肉薄のカップから飲んだ時では、コーヒーの舌への当たり方、当たる場所が違うからだと言われています。

もう一つ、コーヒーカップの色によって、同じコーヒーでも印象が大きく変わります。コーヒーの特質の一つに、コーヒーの液体の黒の美しさというものがあります。そして、真っ黒に近い色であればコーヒーの苦みが強く感じられ、茶色に近くなれば酸味が強く感じられるようになります。これは、過去のコーヒー体験による刷り込みもありますし、多分に心理的なものもあるでしょう。でも、心理状態こそ、味覚に大きな影響を与えるのです。そのため、コーヒーカップが白くて、コーヒー液の色がよく見えた方が、色を楽しむということを含めてそのコーヒーの本来の味わいに迫れると思います。カップの、少なくとも内側は白か、薄い色で無地のものを選ぶのが私のお勧めです。


コーヒーカップのお話その④-1
陶器のコーヒーカップ

コーヒーカップのお話その④-2
磁器のコーヒーカップ


ちなみに、コーヒー最大の生産地ブラジルで、コーヒー豆の品質鑑定を行っているクラシフィカドール(コーヒー鑑定士)は、コーヒーのカップテストに、陶磁器のコーヒーカップを使いません。100cc容量の、耐熱ガラス製の無色透明なコップを使い、カップテスト用のスプーンですくって味をみます。
彼らはプロですので、数多くのコーヒーをテストしなければならないため、コーヒーを速く冷まし、かつ、液体の色を目(視覚)で判断するためにガラスのコップがよいのです。そして、口(味覚)と鼻(嗅覚)全体をくまなく使ってコーヒーの風味を見るのです。そのために、カップに口をつけるのでなく、スプーンから噴霧状に口腔内いっぱいにコーヒーをすすりあげます。舌へのコーヒーの当たり方を均一にするためです。口に液体を含んだ後、鼻から息を抜き、その香りを鼻孔全体で感じます。
まあ、ゆったり感とは程遠い、コーヒーの味わい方ですね。仕事ですから仕方ありません。
1人のクラシフィカドールが1日のうちに官能試験をするコーヒーは200~400杯ですから、
それに合った容器とテストのやり方がある、ということです。

普通の方々は、多くて1日10杯のコーヒーを嗜むくらいでしょうから、そこまで真似をして、ガラスのコップでなくても良いかなとは思います。

お気に入りのコーヒーカップで、楽しいコーヒータイムをお過ごしください。


コーヒーカップのお話その④-3
ブラジルのコーヒー鑑定士

コーヒーカップのお話 その③

コーヒーカップの話③です。

ヨーロッパで、18世紀にボーンチャイナが発明され、コーヒーや紅茶をボーンチャイナの食器で飲み始めたという話の続きです。

ヨーロッパで発達した、貴族のテーブルマナーでは、飲食をする際に、スープをすすりこむ音をたてたり、熱いものをふうふう吹いたりするのは、下品だということになっています。今でも洋食マナーでよく言われる話ですね。

私たち日本人は、ラーメンや日本蕎麦をつるつるとすすりこんで食べることに慣れていますし、熱いお茶もずずっとすすったりするのが古来からの習慣です。が、ヨーロッパの上流階級では考えられないことでした。
そこで、ヨーロッパでは、熱いコーヒーや紅茶を飲む時に、「ふうふう」も「ずずっ」もしないように、適温まで冷まして飲みやすい温度にする、ということを考えなければなりませんでした。
息で吹かずに、熱い液体を速く冷ますには、外気に触れる表面積を増やしてやるしかありません。そのため、カップの中身を平皿に移して、外気に当てるという所作が考え出されたのです。すでに普及していたスープ皿の考え方と同様です。サーブする人は、コーヒー・紅茶を持ってくるカップと、それを冷ますための平皿が必要なので、その2種類をセットで食卓に用意しました。

即ち、ヨーロッパでは、最初、コーヒーや紅茶をカップから平皿に移し、その平皿に口をつけて飲んでいたのです。マナー的には正しいのかもしれませんが、見た目、あまり美しいとは言えません。
その、液体を冷ますための平皿が、現在のソーサーの起源なのです。
その当時のソーサーは、スープ皿のように深さのある構造をしていました。

しかし、やはり、ヨーロッパの人々にとってもそのソーサーに移してから飲むという習慣は、あまり洗練されているとは言い難く、かと言って、スプーンでコーヒー・紅茶をすくって飲んでも美味しくありません。結局平皿から飲むマナーは、そのうちに立ち消えとなりました。そのため、平皿はカップを載せるだけの、現在の平たいソーサーに変化していきました。

また、ティーカップとコーヒーカップも実用に応じて、形が分かれていきました。
紅茶は、なるべく温度の高いお湯で抽出した方が抽出効率がよく、香りも立ち上がります。
そのため、紅茶の香りを楽しみつつ、かつ湯温も速く冷めるように、口径の広い、すなわち冷めやすい大きめのカップがよい、ということになりました。

コーヒーの方は、あまりに熱すぎる温度で抽出すると、味に「えぐみ」や嫌な「苦味」が出る場合があります。ですから、お湯の適温は流儀によって色々ありますが、大抵のコーヒー教則本には、沸騰しているお湯でコーヒーを抽出するのは駄目だ、と書いてあります。18世紀のヨーロッパでも、コーヒーは80度から90度くらいで抽出されていました。サーブされる時のコーヒーは、もっと温度が低くなります。そのため、逆に、抽出時の温度を一定に保ちたいということから、湯温が冷めにくいように、口径の小さい、小ぶりのカップが使われるようになりました。

ティーカップが広口の大きめのカップ、コーヒーカップが口径の小さなカップとなったのは、このそれぞれの温度差が由来であると言われています。
そのままですとティーカップの容積が大きすぎるので、高さを抑えて、紅茶の容量を若干抑え目にしました。ティーカップは広口で、低いたたずまい、コーヒーカップは口径が小さく、その分高さがあるように調整されたのです。

やっと、現在のコーヒーカップとティーカップの姿にたどり着きました。

次回に続きます。次回最終回。

コーヒーカップ
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